南信の休日 その3 ~ 愛と自由のリンゴたち ~


今日は沖縄の慰霊の日。
多くの国民の犠牲を強いた戦争への反省と、平和への祈りの日ですね。
もちろんこれはとても大切な日なのですが、ならば、というのでしょうか・・・
私はやはり、自国の侵略の歴史を正しく見据える日も必要ではないかと思います。



それを知る前と知った後では、まったく世界を見る目が変わってしまうことって
誰にでもあると思うのですが、
少なくとも私にとって、満蒙開拓団の事実を知ることはそういった類のことでした。



今まで自分がやってきたことの意味がとても薄っぺらい概念の上に成り立っていたように思えてしまって、
これからをどう生きるべきか、どう仕事をしていくべきなのか、とても考えて悩みました。


私は自分の在り方そのもので仕事をしているワケで、そこが、根底が揺らぐほどの事象だったということです。
でもきっと、掘り下げるべき事柄だったのだろうと今は思っています。
記念館のピースサポーターにも登録しようと思います。



それでも、おやき屋さんであの深く濃い旅の記憶をシェアしつつ、信先生に打ち明けたりしているうちに、
次第に気持ちが落ち着いていきました。

すると、また違うものが見えてくるものですね。
あの南信の旅の過程で実はちゃんと答えも受け取っていたのだと気づいたのです。



満蒙開拓団の事実に触れた翌日は、伊那のリンゴ農家さんを訪ねました。
白鳥農園さんは、お父様の世代からリンゴの無農薬栽培に挑戦し続けていらっしゃった方です。
今は息子さんが農園をやっていらっしゃいますが、このお父様の元気で矍鑠として饒舌で知識の豊富なご様子に先ず驚きます。
無農薬栽培のリンゴは健康長寿ににとても良さそうです(笑)




白鳥農園さんのリンゴ畑は、シロツメ草が咲き乱れていて羊がその草を食む素敵な場所でした。
無農薬の大地は、歩いているだけでも優しくあたたかなエナジーが伝わって来て、とてもとても癒されます。
こんな大地で育つリンゴちゃん達はとても幸せだなぁと思いました。




こちらで、リンゴの摘果作業をお手伝いしました。


リンゴの葉にかかっている白いモノは、石灰と銅を混ぜたボルドーという虫除け剤。
フランスのボルドーで100年前に行われていたやり方だそうです。

オーガニックとは大地の、その土地の循環システムそのものに則った作物の栽培方法。
大地の声を聴き、草や土、微生物や虫や風土との調和とバランスそのものを見極めるとても繊細な農法でした。



白鳥さんのお話を聞くおやきカンパニーの二人、ライターのなっちゃん、天才ファーマーのももじさん。


白鳥さんのお話はとても印象的で、
どんな無農薬栽培の専門家の言うこともネットで調べた情報も、全く役に立たなくて、
全部自分で考えて、試して、試行錯誤を繰り返してきてやっとリンゴが育ったのだと。


それを伺って、とても納得してしまいました。
他者の情報や意見よりも先ずは、とにかくは、自分で実践し体験し、経験を積み重ねることによって
様々な道が拓けてくるのだということ。
これこそが現実を、地上を生きる醍醐味であったはずです。



オーガニックな生き方。



その土地にしかないやり方、その土に即した栽培方法の様に、
私たち一人一人の生き方も、その人その人に即した循環と調和のバランスがあるはずで、
それは誰かの意見に沿ったものでは決してなくて、自分で試行錯誤しながら調和を探るしかないのですね。


大変な苦労を語りつつも白鳥さんはこう仰います。


「 でも、リンゴってなんか素敵じゃないですか? 」


あぁ・・・ 


そうだね、と、皆で納得。
果物って、なんかいいよね。 
夢があるよねって。


愛と自由のリンゴたちとは、私たちそのもの。



白鳥農園さんのリンゴから生まれた日本初のオーガニックシードルは酸化防止剤も無添加



大地に根差す生き方とは、自分自身に根差す生き方のこと。
自分の真実から目をそらさず、何かあった時にも自分の意識に根差した判断ができるよう。
そして、おかしいと感じることをおかしいと訴える自分軸を持てるよう。
地球規模で、宇宙規模で、私を発信できるよう。


大地を感じる生き方、自分の根っこからブレずに生きていれば、
きっと国がおかしな方向性を打ち出した時に、おかしいと気が付ける。
自らの高次意識との連携、アンタカラナを伸ばし整列させられるような生き方ができていれば、
直観として何をすべきか、どう生きるべきか何をするべきか分かる。




この時代に生かされていることで、何をしなければならないのか。
人間の歴史の闇をどう受け止めて、そのうえで自分がどう生きるのか。
それを誰とシェアし、誰と共に生きるのか。



きっと、ちゃんと答えは大地にある。
そんなことを受け取っていました。





白鳥さんと、おやきカンパニーの二人。
そしてライターのなっちゃん、天才タイプのファーマー・ももじファームのももじさん。
素敵な濃密な旅を一緒にできたことに感謝です。




菫香
Sanctuary de Shinjyukugyoen

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